成り果てた獣、鵺。/ユダ
 


―――彼は



幾つもの黄昏を呼びました

幾つもの闇夜を越えました



――“黄昏の君”出ておいでよ




世界を呪って

世界を消したくて







―――でも

彼女はもう居ません。




何故なら――…







うん。

知ってる




うん。

知ってる、わかってる。






でも

君の居ない世界なんて


嫌なんだ


だから、だから、だから

夕闇の中、君を探すんだ







―――呼ぶんだ。

君を。










そして

猫は何時しか


成リ果テマシタ。





そして

何時のまにか



黄昏を越えていました。













――――夜の獣、鵺。




戻る   Point(0)