クリオネ・リマキナ 〜海の妖精〜/鵜飼千代子
恐くなってしまったんだよ
手に入るなんて思っていなかったん
だから
難しいことなど一つも考えず
ただ 魂が引っぱられてた
心配だったんだよ
先の事なんてちっとも考えていや
しなかった
あるはずの無いことなど
考えているわけ ないでしょう
いくつもの海を越えることより
仲間がいてとれているバランスを
無くしてまだ
あれるのかどうか
それが とてつもなく恐かったんだ
どうして どうして
僕のところになんか
飛び込んで来たんだよ
そんなに一生懸命に
見つめるんだよ
世界中で一番淋しいのは 僕な
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