あの、連鎖/真島正人
い局面に入った……
連続体が
かすかに震えてかなえた
古い記録
僕の爪の先まで
神経線でつながっていた
『思考たちの残骸』
石みたいに硬くなって横たわっていた
やわらかいものが形をなくして
僕は涙ぐみ
もう一度深く呼吸をすると
あの、連鎖について話し出しすのだ
大事なことは
包み隠さないほうがいい
ここは
こういう場所なのだと
はっきりと君に
伝えたほうがいい
きっと
きっと
君は膝をいためたらしく
いたわるようにして
かがみこみながら
セーラー服の襟を正した
君はずっと前に旅行したどこか遠い県境のことを話し
僕はその寓話に
ついていけなかったよ
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