爪先ニュートラル/ソノタ
 
点々と染みのような息を散らしながら歩いている
大げさな心臓に塩でもかけてやりたいと思い逸らしたのは目だけ
「なにか得ないと生きていけないなんて馬鹿げてる」
親指を握るのはほんとうに四本の指なのか
喜んでほしいけれど受けてたつことはできないいつだって
曖昧な境界線に透ける世界をみる

始まりという理由を終わりという理由で片付ける
「続いていくなにもかもを放棄したふり」
むしって食べたのは少女のかけら
「洗濯が終わったからちょっと待っていて」
宇宙に生まれる水が頭の中に綿菓子のような雲をつくっていないとは限らない

手袋をしたまま風呂に入りその二分後に出かけるつもり
フェアアイルの断崖にすべる風を
「プリントアウトでもすればいい」

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