そして雨が降りましたほんの少し/ソノタ
そして雨が降りましたほんの少し
風にちって
睫毛も濡れないくらいだったけれど
指先を針で刺したような気分で歩いた
すごくひとり
どこまでも滲むくせにまざりたがらない
こんなからだ
「わたしにはもう腕がないのであの人を抱きしめられない」
なにもいっしょに持てないのなら
セックスをしようよ
ほとんど神聖といえるくらいの快感でしかない
だって子どもはうまれない
ピンク色したふわふわの
綿菓子みたいな次元のこと
束ねて放った
手放しのままの朝日を横目に
薄い影に足踏みする紫
白く濁った空みたいな指
見たいものしか見えない目と
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