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石黒
まだ青いまま
棚引いているとしても
摘みとられたのなら
夜が明けたのだろう
五月の砂浜より
六月の遠浅がなお白いのは
太陽にうち砕かれた
おまえの白骨が
どの砂漠よりも速く
流れてゆくから
鴎たちの乳房に
偽りはつのり
甘みを帯びたころに
秋口の刈入れは始まる
海へ向かう
足あとの数だけ
星々は謎めき
謎めくほど
おまえの所在は
明白になる
首のない太陽も
おまえの首も
やがて草花に香り
むせかえる喜びは
夜明けまで続く
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