月になれたら/葛西曹達
自ら輝けないとしても
淡い光を放っていたい
誰かのお陰だとしても
夜空に浮かんでいたい
ウサギが餅をついてるだろ
かぐや姫も待ってるだろ
六分の一の重力で
空中散歩もできるだろ
そんなアポロ計画みたいな夢は
僕の中にもたくさんあって
秋が来るたび思い出して
一生懸命ジャンプしてみる
満ち欠けを繰り返して
スガタカタチを変えながら
みんなを魅了していく
狂気すら呼び起こすんだ
夜しか会えないのなら
昼は汗を流そう
見えないところでずっと
世界を見つめていたい
今日も淡い光を放つよ
今日も夜空に浮かんでいるよ
誰もが胸を焦がすように
僕もまた月になれたらいいな
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