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石黒
東京が
くちびるから
たそがれてゆく
秋口に
太陽の首を
刈りとったのは
鋭いほど
耳に残るものも
ないのだから
夜の
冷たさは
みちた春の
しずけさ
声にみちた
水が
流れてゆく
東京の足もとを
蜜蜂のように
速く
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