抜け殻/弥鈴
 
あの日二人
言葉を惜しむ程に
見つめあった時を
昨日の事のように
想い出しているわ

どうしても
時間を止められず
唯それが悔しくて
泣く事も出来ずに
笑って見送ったの

時空がゆがんでも
闇夜に呑まれても
かまわないくらい
愛おしい人だった

あの瞬間の永遠に
魂だけ綴じ込めて
脱け出したいとも
想わないのだから

だから今でも
想い出の中だけを
彷徨うようにして
生きているような
そんな気がしてる

まるでわたし
抜け殻みたいだネ


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