水面ゆらゆらー昌平橋ー/……とある蛙
 
神田の内外分ける橋
昌平橋の欄干から
覗く水面は神田川
ゆらゆら揺れる神田川

二人並んで水面を見つめ
僕は君につぶやいた
僕らはどこに行くのだろうか
君は何も答えずに
そのまま水面を見つめている

行き先分からぬ二人だが
このまま二人で歩きたい
だから二人でゆっくりと
その時感じた幸せに
そのまま歩く昌平坂

三〇年前の初夏の街
あの時一緒にいなければ
違った人生もあり得たが、
そんな思いはあきらめて
ゆらりゆらゆら歩いてく

お茶の水橋の欄干に
二人の昔の思い出が
少しくすんで張り付いて
水面が遠く霞んでいる。
二人で歩いた初夏の日の

悩みはすべて僕の責め



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