他 力/信天翁
 
おいぼれのわたしは四六時ちゅう呟いています
空(くう)にむかって永訣を
古血のなかのかすれた声で
「いまはただ ただ時にすがっているだけです」と

遠くで救急のサイレンが
蚊の鳴くように
北風のはざまから
乾いた街並みのひだにこだまし
そしてとぎれました

若いあなたには
たしかな頼るものがお在り
ですよねぇ

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