無意識化のノート、1ページ目/ホロウ・シカエルボク
 

いま香草の暴力的な繁殖を裏庭で見つけたフレンチのシェフみたいに俺は混乱していて思考の着地点といったものが脳内のどこにも見当たらない。年中子供を生んでいる好きものの家族の子供部屋みたいに際限なく散乱して、ところどころ割れたり曲がったり、よだれでべとべとになったりしている。思考を構築することと、頭を空っぽにすることは、まるで違うようでとてもよく似ている。頭の使い方をよく理解していないとどちらにも転ぶことは出来ないという点で。ところが、それは意識的に行われても仕方のないことで、それはなぜかというと意識下にあるものから何かを拾い上げることなんて浅瀬で貝を拾うのとたいして違いはないからだ。それはくまで無
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