ひだまりの園/黒乃 桜
 

桃色の花園を下って
季節をオルゴールへと 移す作業が得意なの

通り過ぎる人の白い髪に朱林檎
気丈に振る舞うお姫様に 見せてあげたいものだわ

手を取って 踊るよりも
隣で鼻歌 歌いたい なら

壊れたぬいぐるみの
瞳を何かに 例えてみてよ


「 そうでもない 糸 が 」

ほつれてしまって
ほどけてしまって

「 泣いて しまい そう みたい だね 」

笑って
笑って

私より明るく
私より 可愛く。


桃色の花園を下って
季節は閉じこもってく

このまま なにか 白く
溶けてしまったなら

小説を読むように Dominoを被るように
刺さった言葉が 偽りだとしても


瞳が
優しく


「 ほつれていた 糸 も 」

消えてしまって
無くなってしまって

泣いて しまいそう
でも

笑うわ
笑うわ


誰より明るく
誰より 可愛く。


ひだまりの 中 では

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