彼女の子宮/吉岡ペペロ
る
まだ幼かったころ性のちからを信じていたころ
よく彼女のなかに中指を入れた
彼女に潮など吹かせていたのを思い出す
女の恥骨あたりにあるざらざらをくすぐるようにこすっていると
中指のさきに砂肝のようなものがこつこつと当たる
女になにが当たっているか言えと命じてみる
それがなんなのかは分からないがいつも子宮と言わせていた
財務の本をひととおり読み終え蛍光ペンでマークしたところを
もう一度読みかえし本を捨てるようにして閉じた
役目の終わったテレビも消した
指先に彼女の子宮を思い出している
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