年頭に/生田 稔
 

 一月三日

コバルトの湖にさざ波白く立ち一月3日並木道ゆく

さびしげに男が一人道よぎる生業は何をなすかとふと

「がんこ堂」面白き名の書店あり名に惹かれ寄りたく思う

珍しくなくも大きな空がある白い雲と青い色もみんな

陽かがやき影長くなる午後の路もうすぐ家に帰り着くなり

一月十一日

ふとそばの子の襟直す妻の手の愛しくありて奥床しかな

妻は居ず英語録音聴きつつも心はとおくつまの在りかに

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