荒地にて1.5/徐 悠史郎
れはとんでもない言い掛かりで、ローはローで守ってくれればいい、だがオレはほんとうはそんなものと関わりがないんだ、という意識が、詩人のかすかな絶望と一致するのだ。こうして酒場で飲み干すショットが喩えようもなく喉を癒し、荒地に一瞬の芽生えを生じさせる。そしてガンマンはこの芽生えが芽生えの瞬間と同時に消滅していく様子を、快感として胃の底に感じるのである。
町と町を結ぶ<道>やそれを取り巻く<森>、西部においてそれは<荒野>であった。この秩序と混沌、法と無法、地球と非‐地球の比較検討は、荒地のイメージ確立のための(他愛のない)一助となるかもしれない。
戻る 編 削 Point(3)