【批評祭参加作品】失われた「鈴子」を求めて/香瀬
 
、わたしは「ポエム」を書いていた。死んだはずのyumicaが、わたしの「ポエム」を読みながら、これは「ポエム」ではない、と言う。これは「ポエム」だと言い張っても、これは「ポエム」ではないとyumicaは言うばかりだった。君に一体「ポエム」の何がわかるんだい、と怒鳴りつけると、決まって目が覚めた。それから、半年が過ぎた。その間も、いやな夢は続いた。わたしは、夢の中で「ポエム」を書き、yumicaに読ませた。yumicaは、わたしの「ポエム」を読むと、これは「ポエム」ではない、と言うばかりだった。わたしは、yumicaを喜ばせるために、夢の中で無数の「ポエム」を書いた。こんなことを続けて一体何になるの
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