この道をまっすぐあるくんだ/竜門勇気
 
春を踏んで道が砕けて
僕の足はそれでも動いた
空に浮かんでる大きな鉄の屑が
落ちてきたとき
苦くてとても飲めこめそうも無い
冷たい氷が落ちてきたとき
それでもよく動いた

秋の雫が喉に詰まって
体は凍ってる
振りほどいたら
全部消えるからって
すごい力で引きちぎられた喉
まだ痛むよ
なにか喋るよ
むすんだ指の中で
世界を壊しているのは誰だろう

夏の隙間
隙間だらけで漏れ出してる
美しさの作り方を知って
試してみたくなったのか
走る 山のなかでは
どんな大きな声でさけんでも誰にも届かない
どんな小さな声でつぶやいても自分には隠せない

冬は腐った
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