(無題) /服部 剛
 
ある日マザーテレサは 
旅先の列車の中で 
(貧しい者の瞳に、私がいる・・・)と囁く 
不思議な声を、聴いたという 

もし、人生に幾度かの岐路があるとして 
私も夜の静寂(しじま)に耳を澄ます時
内なる者の不思議な声に 
従うべきだろうか 

今夜
鼓膜の奥に一つの声が
木霊(こだま)する 

(空白の、明日に向かって、身を投げよ) 




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