風のなかを歩いている/吉岡ペペロ
 
風のなかを歩いている

雑踏とおなじくらい孤独だった

見えないところで会話を重ねた

愛は合法的な欲望だ

許された者たちの欲望だ

性の痛みや快楽とおなじくらい

傍観者が風のなかを歩いている

風のなかを歩いている
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