ヤモシレヌ/靜ト
 
さかしらだ
さかしらな心だ







酩酊した夜道を
歯を食いしばって四肢を伸ばす
いまはもう動物
だって理性をどかした頭は
澄み切って○○を剥き出しだ

街灯も薄まった頃
ガードレールにもたれた男女が
意味も無くしかしあたかも悟りあうかのように微笑みあい
互いを「いいったら」といいながらこずきあって
突如
風船のように割れてしまった
新しい流行りの遊びだろうと
顔をしかめた背広の男が
毎度物差しをあてながら
おそらく30cmずつ歩いてゆく
笑いながら走ってきたこどもが笑いながら背広の男に「タッチ」して笑いながら逃げてゆく
あの男は追い掛ける
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