【批評祭参加作品】客観描写ということ(高浜虚子)/古月
 
 優れた詩に出会うというのは、そうそうあることではない。
 それはインターネットの世界も同じことで、ここ現代詩フォーラムにおいても、文句なしに優れた書き手といえる者は全体の1%にも満たないのではないかと思う。
 わたしは詩を書き始めて三年になるが、実にそのうちの二年を、ろくに他人の詩を読むことも技巧を学ぶこともせず、無為に過ごした。おそらくフォーラムの参加者にも書き始めて日が浅く、わたしと同じように自己流であてもなく思うままを書き連ね、同じように伸び悩み、表現の壁に当たっている人もいることと思う。

 そこで今回は、そうした初学者のために、俳人である高浜虚子の言葉を「玉藻」に掲載され
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