哀歌/吉岡ペペロ
 
きみの傷を食べたい

手にとって口を汚し

きみの痛みと同苦したい

冬の帰り道

きみを拉致しにゆく

きみを殺しにゆく

ぼくらはちがう空の下を歩いている

月の満ち欠けは

いつも夏の夕方のようだ

長い夜を夢想させるのだ

きみの傷を食べたい

手にとって口を汚し

きみの痛みと同苦したい

冬の帰り道

きみを拉致しにゆく

きみを殺しにゆく
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