女子バスケットボール輪廻クラブ/かのこ
友達だ、それがキャプテンだ。
随分遠くに感じた。酷く不安だった。
なのに、私が泣いたらみんな心配そうな顔で私を見て、
「どうしたの?」「だいじょうぶ?」「なかないで。」なんて言う。
私は明らかにワダに負けていたし、
それ以前に私に負けていた。
バスケットボールが鋭く飛行して、私のすぐ傍をかすめたかと思ったら、
きれいな弧を描いて、乱雑な音を立ててリングに収まった。
何度も何度も地に落ちては、また鋭く飛行した。
でも私は、ぐるぐるぐるぐる、
ぐるぐると、輪廻し続けていただけだった。
劣等、
やがて悔しさも尽きた一ヶ月後、輪廻を緩やかに止めて私は死した。
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