女子バスケットボール輪廻クラブ/かのこ
・・・して、私のすぐ傍をかすめていくだけだった。
なのにその度に、びくびくしていた。
礼儀正しい人間は好きだし、
賢くて物腰のやわらかい大人が好きであった。
その私より背の高い、一つ年下の女の子は、オダという名前だった。
だけど、キャプテンを含め私たち5人はオダのことを密かにワダと呼んでいた。
気の遠くなりそうな夕暮れ、
ぐるぐると輪廻し続けるグラウンド。
なんだか一生このまま走り続けるだけで終わってしまうのではないかと、酷く不安だった。
みんなの背中が、随分遠くに感じた。
ワダさえも遠くに感じていた。
キャプテンは爽やかに笑いかけてくれる。
キャプテンはマユミだ、友達
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