【批評祭参加作品】原罪と救済のパレード(反射熱 第五号)/古月
 
 「5号は、全体的に、許しとか、ほんのり希望、というものを感じました。特に示し合わせたわけではないのですが」とは、同人の遠海真野の言葉だが、『反射熱 第五号』の詩は、確かに一定の方向性を持っていた。それは「(人や物が)集まる」、「救済」、という二つのイメージに象徴されるものだった。 そして、その「救済」される世界の土台を、岡部淳太郎の「原罪」が支えている。
 ここではそれらの詩の個々の関係性に注目しながら、ひとつひとつ読んでいこうと思う。

 まず、服部剛の「孤独ノ星」。

>この胸の暗闇には
>ずっと昔から
>宇宙にたった独りの
>小さい地球が
>ぽつんと浮かんでいる

 
[次のページ]
[グループ]
戻る   Point(3)