創書日和「卒業。」/狠志
 
あの時、卒業し損ねた僕は。

いつまでも、いつまでも。

同じ空を見上げて、同じ空気を吸っていた。

巡り巡る世界は、止まることなく。

ついこの間、新しい年を迎えた。

結局、僕は卒業なんて出来ないまま。

今、気付いてしまった事実を飲み込み。

また、新しい明日を見つめるのだろう。

カーテンを捲ると、外はまだ暗かった。

もう少しだけ、思い出に浸ろう。

明日をちゃんと迎える為に。





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