机上の幻想/
鈴本 蘭乃
思ひ出と云ふ名の幻想を
指で弾いては落としました
御弾きと戯れる童のやうに
罰が当たると云ひし君も又
幻想なのだと云ひ聞かせ、
それでも未だ
君をかたはらに感じてゐました
本当に罰が当たつて
だうにか成つてしまつたら、と思ひしは
さう云つたのが君だつたからなのでせう
戻る
編
削
Point
(2)