机上の幻想/鈴本 蘭乃
 
思ひ出と云ふ名の幻想を
指で弾いては落としました

御弾きと戯れる童のやうに

罰が当たると云ひし君も又
幻想なのだと云ひ聞かせ、
それでも未だ
君をかたはらに感じてゐました


本当に罰が当たつて
だうにか成つてしまつたら、と思ひしは
さう云つたのが君だつたからなのでせう
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