あかいつき/靜ト
こうやって真っ白な入道雲を見つめながら無人駅のホームで涼風にあたっていると
私は永久にこの季節の住人で
それ以外は旅しているだけなんではないかと思う、昼下がり
何もかも果てなく親しく
果てなく孤高であるように感じる、けれど
時給700円で朝から晩までレジ打ちをして
くたくたの足で家に帰ってスーパーの残りを口にする日々
温め直すこともせず冷たいまま口にするのだ
何も考えず口に詰め込むだけでいい
ああ、満たされた
食べ終わってつぶやいてみたら
自分の声の空虚さにびっくりして
慌てて片付けを始める
最近
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