星々ノ声 /服部 剛
 
哀しい知らせを聞くたびに 
世を去る友は、また一つ 
残された地上から僕の見上げた 
夜空に灯る
大事な、大事な、星になる 

そうして僕は 
風の姿で吹き渡る  
彼等のうたと重なって 
今日という一日を 
今迄よりもっと、生きようと希(ねが)う 

その日、夜空の星々は 
一人震えて立つ僕に 
一際(ひときわ)、合図を贈るように、明滅し 
密やかに 
何かを、囁きあっていた 



 
戻る   Point(3)