牢の花、めめぞ群/山内緋呂子
天涯くんと鳩子がカーサ針山で暮らし始めたので、わらび餅を持って遊びに行った。
玄関から枯れた草が、半分ならオブジェなのに居間までのびていたのでもう帰りたかったが
「お花見に行きたい!」と鳩子が言うので、すだれとか、金魚用の水草とかをくぐりぬけて3人で外へ出た。
やっぱり、150円で小さな鉢植えを買おうとしても気にいらないお花だったり、草ばっかりだったりする。だからお花見と言っても、草ばっかりだったりすんじゃなかろか、
と、後ろの二人を振り返ると、マーブルチョコのピンクがとても激しいゼ!とかオレンジも捨てたもんじゃないと、手のひらの上で選び合っている。
「遠足かよ」と一人行進。
柳の下に
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