マリアへの願い/りょう
言葉足らずだと
「何言ってるか分からないよ」と
柔らかくなる目と真っ直ぐな背中を
変なことを言うと
「え、どういうこと?」と
上がる眉毛とかしげる首を
夕日がきれいというと
「ほんとだね」と
一緒に見てくれる横顔を
かわいいと思いました
僕が消えかけそうになってから
言葉足らずでも
変なことを言っても
心配して無理に
僕を分かろうとしている気がします
どうか笑っていてください
戻るまでの僕の願いは
今まで書いた詩が
クイズのようにあなたを楽しませ
時間を忘れてくれることです
そして
困らせたことを許してください
また一瞬の出会いが積み重なり
景色に色と音が戻る日を
楽しみにしています
では失礼します
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