GARASUDAMA/狸亭
ぼくは大道に投げ出されたGARASUDAMA
多面体のよく肥ったGARASUDAMA
鈍い膜で覆われたGARASUDAMA
そこに世界がうつる
GARASUDAMAは無思想無宗教無節操
GARASUDAMAには四季が映りあらゆる日常が映る
GARASUDAMAには過去現在未来の時間が映り
風景や愛やときには真実らしきものまでが映る
GARASUDAMAはぼくで
テレヴィでもなければ新聞でもないわけだし
もう五十年も転がりつづけているGARASUDAMAは
唐突に色を変えたりする
詩とはGARASUDAMAに映った影のことで
ついに捉えられてしまった影が作品なのか
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