祈り/
伊織
今日
はじめて 自分以外の誰かのために
神様にお願いをしました
霧たちのぼる早朝に
ひとりで そこに踏み入り
ひとりで 歩を進める
人の手の 届かぬ領域
人の目の 及ばぬ領域へ
そばにいることが最善ではない、
あのひとは
地平線の彼方へ行くことを
あらかじめ背負って生きているのです
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