お正月の歌/atsuchan69
縮絨された暦に秘めた
敏く、哀愁を帯びた紅紫の日々と
愚かなる人々の美しくも艶やかな罪の数々
その淡い影と華やかな彩りに埋もれ
古びた床へと無数の疵を残して
錦鯉の泳ぐ池のある庭を望む
広々とした客間へとつづく廊下には
紅い絨毯を敷き詰めた、偽りさえ夢に染まる
血族の邪まな営みをあからさまに曝して
それでも指折り数え、
訪れたハレの日の朝――
総ての咎を覆う、清楚なる風に乗って
何処で毬突きの少女が口ずさむ
「いくらと数の子、どっち好き?
蟹と伊勢海老、どっち好き?
少年のうしろに立つのは、
黒い結い髪の意地悪な老女中
――坊ちゃん、コレ
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