待ち合わせ感/……とある蛙
の主人と称する婆が出てきた
婆はでかい。
しかし皺は深く
余りにも迫力があるため、
上半身だけ仰け反ってしまった。
彼女にそのとき逆らえるものは
たとえ冥界の魔王でもあり得ないと思えた。
それが彼と待ち合わせをした喫茶店だ。
スター何とかのチェーンに入っているが、
一つとして同じメニューはない。
頼んでもいない緑色のコーヒー
褐色のクッキーは歯が折れそうに堅い
っというより食べられない。
クッキーという名の凶器
もちろん注文していない。
文句を言おうにも
異様にでかい店の婆
不機嫌面のウエイトレス
どこにも何にも救いはない。
何時まで待てば助かるのか
不明のまま時間だけが過ぎてゆく。
脂汗が額から脇から流れてくる
えーい 面倒だ。
待ち合わせしたことを忘れて出て行ってしまえ
っと金を払って
雨の中に飛び出して行った。
(なんてこったい。土砂降りだ。)
ツいていない。
もちろん 街も人間も犬も猫も
みんな み〜んな ずぶ濡れだ。
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