エア・エア/nm6
肌を、エア。気づくとイラつく太陽は頂上。知らずのぼくらの、ここそこあそこを均等に、均等に照らすのでした。光、光光、だから見えるってさ。記憶って、街中に溶けて流れて固まってつまり建物とか電柱とかそういうの。サラウンドで攻めてきて、だからぼくは手の届く物体としてのきみを。そして気功のような電磁波のような、何らかのふわりを出すきみの手を手を、手を。つかんで、離す。強くして、弱める。ほんとうのことは言わない。数直線は左へ右へ、行ったり来たりのひとり旅だ。
触れる空気がいちばんやさしいと知れば。
肌を、エア。気持ちいいよ。
肌を、エア。「逃げてね」と「おいでよ」の隙間で迂回する
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