こころの女/吉岡ペペロ
その恋が不倫だとか浮気だとか
ひとに言われてもピンと来なかった
身の上話をして
親にすてられたんだねとか言われても
じぶんにはピンと来なかった
太ったねとか痩せたねとか言われても
違和感だけでピンと来なかった
仕事ができるねとか愛想がいいねとか
そんなことどうでもよかった
意志が強いねとか努力家だねとか言われても
じぶんのことではないような気がして
ひとからどう思われたいとか
そんなことあまり思わずに生きてきた
寝るとき天井を見つめている
雪明かりや
月明かりに
染まってしまったような天井
孤独な
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