坂の上には雲がある/yo-yo
川がある
ぼくは石段を上って 縄文のドングリをひろい
薪をあつめて 弥生人のふりをしてみる
新しい一日は いつも古い一日から始まる
少年の日 父とふたり
近くの山で赤土を掘ったことがある
金木犀の庭をつぶして
父は土をこね かまどを作った
その頃の父は強くて恐ろしく まだ弥生人だった
かまどの薪をうまく燃せないぼくは
泣きながら穴倉をとび出した
あれが父との たったいちどの共同作業だったかもしれない
いまでは かまどの家も父も 古い一日となった
元日というものが 新しい一日だとしたら
どんな新しいことが始まるのだろう
いくつ元日というものを重ねても
ふたたび新しいも
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