夢の欠片(かけら)/……とある蛙
一二の時まで、わたしは発光していました。
ちいさなわたしは
空き地のハルジオンの隙間に落ちていた
たくさんの欠片(かけら)を
拾い集めては、
序序にじょじょに発光していきました。
家の隣の空き地には
野球のグラブに木製バット
サッカーボールにスパイクシューズ
試験管にリトマス試験紙
レーサーライセンスにヘルメット
かぶらペンに墨汁、ケント紙
分厚い辞書に文学全集
車掌の帽子に切符鋏
フォークギターにハーモニカ
それらすべての欠片(かけら)たち
コロコロコロコロ ごろごろごろごろ
雑草(くさ)の隙間に落ちていて
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