六月の白い月/
吉岡ペペロ
十七のとき
二十六の女と付き合っていた
対等だと思っていたけれど
そうではなかったはずだ
いま考えると恥ずかしい
アルバイトさきに女を迎えて
よく女の部屋までいっしょに帰った
女を慕う女子中学生が
たまに自転車で途中までついてきた
女子中学生が
せんせえ、月が外灯より明るいねえ、
女にとりとめもない話をしている
群青に白い月があがっていた
ひどく蒸す宵を月だけが冷ましていた
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