雑 詠(三)/
信天翁
いづこの上空で生まれ ここ
つつじが丘にやってきたのかい
としつみづきのきぢれぐもよ
急がずじっくり眺めておくれ
このおれがぼんやりと落としている
ひねくれたシルエットを
庭の裸木はおまえに
はげしく手を振っているよ
「いつの日にかおいらと握手してくれるよね」
庭隅の枯れ葉もあおむけになって
セピアいろの声で呼びかけているよ
「いつの日にかおいらを大地へ送ってくれるよね」
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