パレード/古月
街にパレードがやってくる。大好きなパレードがやってくる。誰もいない大通りを人で埋め尽くすために、暗い夜を明るく照らすために、子供たちに忘れられない思い出を刻むために、街にパレードがやってくる。鼓笛隊の一団が先頭を歩くと、静かな街に歓声が上がり、真っ赤な絨毯が敷かれた道を、木馬に乗った衛兵が続く。ビロードの旗が翻り、ラッパがひときわ大きく響く。子供たちはそれを合図に、こぞってパレードの後に続いていく。お父さんはもう、帰ってこない。お母さんは泣きながら、笑った。大きな金色の流れ星が、願い事を叶えてくれる。
甘やかな夜に瞼を浸して、昨日の夢を溶かす。笑いたいときほど涙は零れて、君からは見えない、こ
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