食べられない葉牡丹/小池房枝
 
きっとライトアップとかもされちゃうんだろうな

葉牡丹
君は冬の公園でときどきとても美味しそうだった
花よりももっと透明な
光に透き通ってその分の光を宿しているかのような葉牡丹
何がこんなにきれいなんだろうかと
まじまじ見つめてしまうほど時としてかがやかな葉牡丹
けれどもまるで薄味なんだそうだね

まさか食べたんですかと聞き返すと
いや、かじってみただけと涼しくこたえたお嬢さんは
このカラフル葉牡丹にも食指を揺らめかせるのだろうか

今までヒトの食用にはできなかった植物が
アルカロイド
セルロース
とりあえずでも食べられてお腹の足しになるような
いっそそんな薬があったら

それはそれで地球全体が
あっというまに砂漠化してしまうかもしれないけれど
吸わせることでどんな植物も
美味しく食べられるようになるなんて調味料も
開発されればいいのに

芽キャベツのような葉牡丹
食べられない葉牡丹
食べられる葉牡丹
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