あかるくて/
湾鶴
傘はふらりと咲く
街路樹はそれを見送り
またひとつ あかるくなった
ヨーグルトが発酵する
毛布はその音を包み
またひとつ あかるくなった
玄関のチャイムが鳴る
握手を交わし
またひとつ あかるくなった
ズボンの穴
アップリケが住んで
またひとつ あかるくなった
つぶつぶの光
拾って
あかるくて
マッチを擦って
あかるくて
ガシャン
ミルク瓶が砕けて
あかるくて
頭をぶつけて
あかるくて
すぐ暗くるから
また
キッチンで傘をさして
あかるくて
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