パナマの肉/瓜田タカヤ
パナマの肉
すぐに明らかに刑務所からこぼれ落ちた慟哭は
君の優しい気持ちなど汲まず
鈍重な赤土を砂塵が痴漢の性欲まま蹂躙し
熱波の源まで絡げ運ばれゆく
通り過ぎる汗のタンクトップを張り付けた女が
唇でタバコを一本儚くくわえ
過去を何度も再考し欲望に過敏で
発狂を何度も思い描き煙が漏れるのみ
女の尻肉が暴力を連想させ
屋台に大量に並んだべと付く
アルコールボトルの精神の
ニビ色を誇張し
過剰な心臓の弁を
紙細工に代え
臓器が皮膚で
乾燥した外皮が内側だと
取り違える
画期的な死はエンターテイメント性に優れ
油圧で死ぬことも滑らかで精細な光を発し
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