ノート(鈍の季)/木立 悟
 


首すじの羽
雨をのぼり
音に出会う



浅い歩み
どこかが浮いて
傾く歩み



居ること 居ないこと
そのくりかえしに
降りつづける色



白い槍 白い盾
まなじりのけだもの
捕らえられずに



時間の音
あらゆる水に
はねかえる音



ぼんやりと熱く
隣を歩く
光を散らす背



現れては去る鏡の日
あるはずのものがどこにもなく
ないはずのものが在りつづける日






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