猫三昧/古月
ねんねんころりよ ねんねこよ
ぼうやよいこだ ねんねしな
おちおち山のやや猫は
何が悲しゅうて鳴いてやる
腹を空かせてひもじいと
おととが欲しくて鳴いてやる
腹は水ではふくれぬと
おかかがほしくて鳴いてやる
されどやや猫よく聞いてござれ
里にゃおとともおかかもあらぬ
骨も残さずお前が食うて
空の茶碗があるばかり
そんなにひもじきゃお前の腹に
たんと石こさ詰めてやる
ねんねんころりよ ねんねこよ
ぼうやよいこだ ねんねしな
かわい珠子は山へやれ
かわい姫子は川へやれ
八幡太郎はお宮へ上げて
けして猫にはとられるな
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