黙示録からのラブソング/りょう
 
各村の長が
たいまつを掲げ
占い婆の元に
かけつけた
ときがきたのだが
口を開いたのは
一刻たってからだった

   これから起こることを
   聞いてくれるね
   みんなも
   気づいてるだろうから

月のない夜だった

   この地の下
   岩も溶ける
   灼熱の泥深くに
   胎児が眠っている
   この地が
   できるときからずっと

   寝る子は育つ
   何度も続く地揺れのあと
   その子はうぶ声とともに
   陸から右手を
   海から左手を突き出し
   空の裂け目から
   大いなる光を引きこむ
   宇宙に
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